2018/08/01

Rud. Ley Wood Pegging Machine ②

今から十数年前、フィレンツェから車でスロバキアのPartizánske(パルチザンスケ)という町にあるBATA Industrial Parkに向かっている途中に立ち寄ったウィーンにあるLudwig Reiter(ルーディックライター)
そこで偶然Wood Pegging Machineを見る機会があり、貰ってきた靴は2010年7月のブログ内でペース打ち機について触れた時に紹介しました

生産で使うにはスペアを複製する為にブレード、ニードル、ハンマー、ナイフ等、消耗パーツも含め全てのパーツが揃っている機械が必要になります
所在がわかっている機械は100台近くあるようですが年式が古いのでパーツが欠けているか状態の悪いものが多く、良い機械はミュージアムに展示される事もあり条件に合う機械はほぼ無くなってしまいました

昨年フランクフルトに住むご家族からKarl Merkelbach社製の機械を譲って頂きました

1940年製 Karl Merkelbach MERKO Holznagelmaschine

1925年 新聞広告

1927年 Berliner Tageblatt

海外の靴資材サプライヤーからレザーシャンクの固定やウエスタンブーツのような土踏まずを絞った部分に木釘(ウッドペース)を打つ作業に使えるかと問い合わせがあります
正確に真上から打ち込む仕組みになっており、直前に木釘(ウッドペース)を圧縮する機能が付いているので手作業よりも強力に細かく打ち込む事ができます
更にポリエステルの糸でのアウトソールステッチング等と違い、湿気で膨張と収縮を繰り返すレザーソールの動きに合わせて変化するので腐食の原因になる隙間を与えない効果があります
松脂を含ませた麻糸でのステッチにも近い効果はありますが貫通させなければ縫えないステッチングより用途の広い機械です

Rud. Ley Wood Pegging Machine ③に続く